泣いているの? 笑っているの? 怒っているの?
きこちゃんとのんちゃんは、実は出会ってからすぐに結婚したんだよ。
そして、のんちゃんはいきなり4人家族のお父さんになったんだ。初めてのお父さんに。
相性は良かったんだけど、何と言っても時間がなくって結婚したから、お互いをよく知らないうちに結婚したんだね。まるで、若い人が勢いで結婚したみたいでしょ。
でもね、そうしなければいけない理由があったの。
それはいまここでは言わない。あとで、どこかで機会があればね。
喧嘩なのかなぁ、何かあるときこちゃんは何もしゃべらなくなるの。
あれぇ、どっかで聞いたことがあるねぇ、誰かに似てない?
まぁちゃんに似ているね。親子だね。似ているね。
でもね、その頃ののんちゃんには、何がどうなっているのか分からなくって、それでね、一つ一つ順番に話を聞いていくことにしたんだよ。
まずは、泣いているのか? 笑っているのか? 怒っているのか?
大抵は、笑ってはいないのね。
泣いているか、怒っているのね。
次に、何に対して泣いたり、怒ったりしているのか聞くの。
仕事のこと? 家族のこと? のんちゃんのこと? まぁちゃんやあっちゃんのこと?
大抵というか、ほぼ100%がのんちゃんのことなのね。
そうして、どんどんと的を絞って、勘違いだったり、のんちゃんが謝ったり、いろいろなことを毎晩、毎晩。だいたい、夜中から朝方までやって、でも、朝には解決してるのね。
その間に、きこちゃんはどっかに飛び出しちゃう時もあったよ。
そして、飛び出したきこちゃんをのんちゃんは探しに行くの。
歩いて探したり、自転車で探しに行ったり、車で行ったこともあったかな。
でも、ちゃんとすぐに探し出して連れ帰るのんちゃんだったんだ。
きこちゃんがのんちゃんに、ちゃんと言葉で話してくるようになるのに半年ぐらいかかったかな。
でもね、似ているまぁちゃんには同じ手は効かなかったんだ。
難しいもんだと思った、新米とうちゃんののんちゃんでした。